会長挨拶

野口 宏 会長

会長 野口 宏

日本搬送学会 理事長・愛知医科大学 名誉教授

謹啓

第1回日本搬送学会学術集会記念大会の会長を仰せつかりました、愛知医科大学 野口 宏と申します。日本のプレホスピタルケアは、救急救命士制度の創設や救急業務の高度化に伴い、高いレベルになりました。ただし、患者搬送という切片には課題の層が幾重にも重なり、そこには搬送で困っている多くの国民がいます。

私たちは、搬送に関わるすべての人と団体が課題を持ち寄り、自由に議論し、大胆に解決策を考え、緻密な政策として提言したうえで、結果に対してコミットメントする組織が必要だと考え、日本搬送学会を設立しました。

この日本搬送学会の設立を記念して、第1回の学術集会を開催する運びとなりました。第1回学術集会のテーマは「すべての人が搬送で困らない社会の実現にむけて 〜搬送の再定義と日本型搬送システムのかたち〜」とし、医療、データサイエンス、福祉、消防機関、行政など多様な領域から専門家の皆さまをお迎えし、分野を超えた交流と議論を通じて、搬送に関する課題の解決と、新たな価値の創出に寄与できることを願っております。

本学会の3つのミッションである、学術研究(搬送学の体系化)、政策提言(エビデンスに基づく提案)、Intermediary(市民と行政の仲介役)を具現化するため最新の研究成果や実践事例を共有し、参加者の皆様との活発な議論を通じて、新たな学術的展望と連携の可能性を探る場としたいと考えております。

豊かな歴史と文化を有する名古屋の地にて、秋の穏やかな季節に開催されます。初開催となる本会が、多くの出会いと学びの場となることを願っております。

最後になりましたが、搬送に関わるすべての方々にとって有意義な一日となり、今後の発展に向けた第一歩となりますことを祈念し、皆様とお会いできることを楽しみにしています。

謹白